皆さんは「お水をしっかり飲むこと」が、歯周病予防にもつながることをご存じでしょうか?
最近発表されたアメリカの大規模調査(NHANES 2009–2014)では、水分摂取と歯周病リスクの関係について興味深い結果が示されています 。
歯周病は全身の健康にも関わる病気
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきが炎症で破壊されていく病気です。
進行すると歯が抜けるだけでなく、糖尿病・心臓病・脳梗塞・認知症など、全身の病気とも深く関わることが分かっています。
40歳を超えると発症リスクは一気に高まり、65歳以上では約6割が歯周病にかかっているという報告もあります 。
「お水を飲む量」が歯周病リスクに影響する?
研究では、45歳以上の約5,800名を対象に「普段どれくらい水を飲んでいるか」と「歯周病の有無」を調べました。
その結果…
- 水の摂取量が多い人ほど歯周病のリスクが低い
- 特に男性では、水を1日1,200ml程度飲む人が最も歯周病リスクが低かった
- 女性では明確な関連は見られなかったが、傾向としては同じく「水を多く飲む方がリスクが低い」
つまり、十分な水分摂取は歯周病予防にプラスになる可能性があるのです 。
なぜ水で歯周病リスクが下がるのか?
いくつかの理由が考えられます。
- 砂糖飲料の代替になる
水を飲むことで、ジュースや炭酸飲料の摂取が減り、虫歯や歯周病のリスクが下がる。 - 代謝への良い影響
水分摂取は肥満や糖尿病のリスク低下と関連しており、これらの病気は歯周病を悪化させます。 - 腸内環境との関係
水分摂取が腸内細菌に良い影響を与え、骨や歯ぐきの健康に間接的に作用する可能性も指摘されています。
毎日の生活に取り入れるポイント
- こまめに水を飲む習慣をつける
- 食事中や就寝前後など「のどが渇く前」に意識して飲む
- 甘い飲み物や清涼飲料の代わりに「常温の水」を選ぶ
シンプルですが、歯周病のリスクを下げる第一歩です。
まとめ
水分摂取は「健康の基本」ですが、歯周病予防にも役立つ可能性があることがわかってきました。
特に中高年の男性では、1日1.2リットル程度の水分摂取が理想的とされています。
「歯ぐきから始まる健康」を守るために、今日からぜひ お水を意識して飲む習慣 を取り入れてみてください。