歯周組織再生療法に使用するエムドゲインってなに?
歯周病が進行すると、歯を支える組織が破壊され、歯茎に深いポケットができてしまいます。この結果、歯根を支える歯根膜や骨が失われ、歯をしっかり支える力が弱くなります。理想的な治療では、歯茎の再生と新しい歯の周囲組織の再生が求められます。これを達成するために、さまざまな研究が行われてきました。その一つの方法として、従来の歯周外科治療がありますが、多くの場合、部分的な再生にとどまってしまいます。
エムドゲイン(エナメルマトリックスタンパク質)について
歯が成長する過程で重要な役割を果たすタンパク質に、エナメルマトリックスタンパク質というものがあります。このタンパク質は、歯のエナメル質(表面の硬い部分)や歯の根っこの形成に関わり、歯と歯茎をしっかり結びつける役割も果たしています。そのため、このタンパク質は、歯茎の再生を助けると考えられています。EMDとは、このエナメルマトリックスタンパク質を含む成分で、スウェーデンのビオラ社(BIORA AB)が開発した「エムドゲイン®ゲル」という製品です。この製品は、失われた歯周組織の再生を助けるために使われます。
エムドゲインの効果
歯周病は歯が抜ける主な原因となります。エムドゲインは、歯周病治療において歯茎や骨の再生を助ける製品です。長期的な研究で、このゲルが歯を守るために有効であることが示されています。また、エムドゲイン®ゲルは、傷の治癒を助ける環境を提供します。これにより治癒が早まり、腫れや痛みが軽減されるため、治療中の不快感が少なくなりやすいです。自然な治療プロセスをサポートし、患者さんの回復を早め、美しい仕上がりに対する期待にも応えることができます。
エムドゲインの作用メカニズム
以下のような作用機序によってエムドゲインは再生を促します。
以前の方法との比較
エムドゲイン®ゲルは、歯周外科治療中に塗布されます。このゲルを使用することで、歯周病により失われたセメント質、歯根膜、歯槽骨の再生が促進されることが組織学的研究により証明されています。また、長期的な臨床研究によれば、Straumann®エムドゲイン®ゲルを使用した治療は、通常の歯周外科手術(オープンフラップ手術)のみの場合と比較して、臨床結果が改善することが示されています。
歯周病治療をお考えの方には、Straumann®エムドゲイン®ゲルの使用をお勧めします。最新の研究と技術を取り入れたこの製品は、あなたの歯と歯茎の健康をしっかりとサポートし、将来的な歯の保存に役立ちます。是非ご相談ください。